学校公演~平和学習として実施~

9月 19, 2020 in 最新ニュース

特攻隊員と食堂の女将、ひめゆり学徒と負傷した日本兵の交流を描いた平和学習演劇「不言色の蛍(いわぬいろのほたる)」を、大阪府東淀川高校さんで上演致しました。

Withコロナで、平和学習としての修学旅行も延期を余儀なくされ、それでもライブ(観客の前で直接演じる意味)の舞台を通して戦争と平和を生徒達に伝えたいという先生方の熱い思いによって実現した学校公演。

学校内は教室や廊下に消毒液が置かれ、公演も体育館で密を避け、公演時間も短くして、生徒数を半分にし、2回公演を行いました。

劇団側も稽古場では手洗い・消毒・換気などの対策をし、体調の悪い人はすぐ休むよう配慮。稽古も基本的にマスクをつけた状態でソーシャルディスタンスな稽古。本番も通常ならお見送りや、生徒さんたちとの交流がありましたが、舞台上からお見送りしました。

久しぶりのライブな舞台は、生徒さんたちの心に演劇のメッセージが浸透していくのを舞台上から感じました。やっぱり配信や録画とは格段に違う、ライブの舞台の良さ、ライブでしか出来ない感覚を味わいました。(どうしてこんなに直接目の前で演じると何が違うのか、脳内の研究があったら知りたいです)

観劇後、生徒さん方の感想をすぐみせていただきましたが、とてもまっすぐ、純粋に受け止めてくれて、自分の頭で考え、自分の言葉で書いている文章に、とてもやりがいを感じました。

この「不言色の蛍」は、戦争の悲惨さを伝えるというよりは、抗いきれない力(戦争)の下で、それでも人々が人間らしく生きようとした、人間のあたたかさを描き、真の人間らしさを問う作品です。

2011年から9年間、毎年学校公演や、全国に台本提供をしているこの作品ですが、毎年少しずつ台本を見直しています。今回も改めて資料を読み直すと、去年まで全く理解できていなかったことも見つけ、自分の不勉強さを痛感させられ、まだまだだなといつも感じます。

戦後75年の今、戦争を体験された方がどんどん高齢化して亡くなる中で、当時のことを聞き取り伝えていくことは本当に大切なことで、特に若い世代に伝わる形で伝えるという意味で、演劇で伝えることは非常に有効な手段と思っています。本当は児童や生徒さんが演じるのが一番と思うので、機会があればぜひこの作品を演じてもらいたいです。

最後になりましたが、招待してくださった東淀川高校の先生方をはじめ、皆様に感謝いたします。

2020年9月17日 桜人企画代表 馬場さくら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓稽古場のようす           ↓お互いにメッセージを書きデザインしたマスク!